2020/09/30

COVID-19肺炎AIの無償支援プロジェクト拡大と重症化予測AI開発のお知らせ

エムスリー株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:谷村 格、URL:https://corporate.m3.com、 以下、「エムスリー」)は、長期化するCOVID-19と日々対峙する全国の医療機関への支援として新たなプロジェクトを行うことになりましたので、お知らせいたします。

  1. COVID-19肺炎AIと遠隔読影サービスの無償支援の拡大
    6月29日付で厚生労働省から製造販売承認を取得した「COVID-19肺炎画像解析プログラム Ali-M3(※1)」(以下、「本製品」)をはじめとする画像診断支援AI、COVID-19判定における遠隔読影診断サービスを医療機関へ無償支援を行って参りました。6月の利用希望施設の募集開始から多数ご応募頂き、現在、121施設への本製品提供が確定しており、医療機関での活用が始まっています。すでに全国で約10,000検査の画像解析を行い、診療にお役立て頂いています。

尚、本プロジェクトは、新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金(※2)支援を受け進めて参りました。

この度、多くの施設からの利用希望を受け、本製品をより多くの医療機関にお役立て頂きたいという想いのもと無償支援プロジェクトを拡大することといたしました。

尚、プロジェクト拡大を実行するにあたり、株式会社三井住友フィナンシャルグループ、ファイザー株式会社から支援を頂き、推進して参ります。

弊社AIラボが株式会社NOBORI(本社:東京都港区、代表取締役社長:依田 佳久)(※3)と共に提供するAIサービスを期間限定で無償提供いたします。エムスリーエッジサーバーを医療用画像管理システムであるPACS(※4)に接続することで、COVID-19肺炎AI等の画像診断支援AI、遠隔読影を利用することができる仕組みになります。冬場のCOVID-19対策として少しでもお役に立てればと考えております。

ご利用を希望される医療機関は下記URLの応募ページよりお申込み下さい。お申込み頂いた施設に詳細のご案内をさせて頂きます。先着順でのご案内になりますので、その点ご了承下さい。

20200930 01

■エントリー応募ページURL
https://m3comlp.m3.com/lp/m3com/covid19_dokuei

お申込みにはエムスリーが運営するm3.com会員資格が必須になります。会員登録をされていない方は、ご登録後の申請をお願いいたします。

  1. COVID-19重症化予測AIの開発を開始
    兵庫県立大学、兵庫県立尼崎総合医療センターと共同で、国内の11施設のCTデータと 臨床情報をもとに、新型コロナウイルス感染者の予後予測指標および予測モデルを作成、検証を開始します。COVID-19陽性者の重症化を確率的に予測し、COVID-19の診療に対する有用な判断指標を提供することで、必要な医療リソースを準備できる体制構築を支援し、重篤化する方を一人でも減らすことを目的としています。

尚、本プロジェクトは、株式会社三井住友フィナンシャルグループの支援にて実施して参ります。

※1 AIアルゴリズムを活用した胸部CT検査画像の解析プログラムになります。主な機能は、「COVID-19肺炎に見られる画像所見の確信度提示機能」及び「関心領域のマーキング機能」になります。本製品プログラムは、7,038例の検査画像データ(内COVID-19肺炎の検査画像データ3,067例)を学習データとして用い、ディープラーニングを活用して開発されています。国内検査画像データ(約800例)を用いた臨床性能試験により、本製品の精度評価を実施し、製造承認の取得に至りました。

※2 ソニー株式会社が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により世界各国で影響を受けている人々を支援するため、2020年4月2日に立ち上げた、総額1億USドル(約108億円)の支援ファンドになります。

※3 日本の医療クラウドサービスを牽引する企業で、2020年3月末時点で1,000施設へのクラウドPACSと、700施設への遠隔画像診断用ITシステムのサービス提供を行っています。日本最大数の顧客、データ量を取り扱っており、これらの技術力を活かし、提携医療機関での医用画像、検査結果、お薬といった医療情報を、スマートフォンでいつでも参照できるPHRサービスもてがけています。医療情報をクラウド環境に安全に保管・共有・活用し、社会の集合知へと高めるためのITクラウドシステムを活用してAIプラットフォーム事業に取り組みます。株式会社NOBORIの詳細情報はhttp://www.nobori.ltd/をご覧ください。

※4 医療用画像管理システムPACS(Picture Archiving and Communication Systems)は、X線装置、CT、MRI等の画像撮影装置で撮影した画像データを保管・管理するシステムです。