エムスリーグループでゲノム・パーソナル医療の進展をサポートするG-TAC株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:植松 正太郎 、以下「G-TAC」と表記)は、ニュージーランドの遺伝子解析サービス企業であるPrecision Medicine International Limited(本社: Aotearoa New Zealand CEO: Andrew Winnington 「以下、PMI」と表記)と同社の遺伝子関連検査サービスの国内展開に際して戦略提携を行いました。PMI社が保持するゲノム関連検査に対し、国内市場での展開に際して一貫したサポートを行います。
G-TACは、m3.com内で医師向けにゲノム・パーソナル医療の普及啓発を行い、2017年9月現在、2.5万人の「G-TACメンバー」に加え、ゲノム検査を日常臨床で活用する医療機関1,700施設のネットワーク「G-TACパートナー」を構築しています。
PMIは、ニュージーランドにおいて「IT」と「ゲノム解析技術」の組み合わせによってイノベーションを推進している企業で、ニュージーランド保健省配下の医療規制機関であるMedsafeによる認証を受けています。医師でもある創業者の理念と経験を背景に、医療現場で有用性の高いゲノム関連検査を開発・アジアと中東を主として事業展開を行い、既に6カ国で検査販売の実績を有しています。
このたび、PMIとG-TACは日本国内におけるPMIのサービス促進を目的として、戦略的提携を行うこととなりました。第一弾として、薬理遺伝学検査「XY Analytics」の日本展開を、戦略策定から実検査のデリバリーに至るまで一貫してG-TACがサポートします。G-TACパートナー医療機関でもある東京ミッドタウンクリニックを主とした一部医療機関でトライアルでの検査提供をスタートし、その後他のG-TACのパートナー医療機関等へ展開する予定です。
今後もG-TACでは、海外の優れたゲノム検査の日本導入をサポートし、ゲノム・パーソナル医療の進展に貢献してまいります。
■450以上の薬物応答性を判定する検査「XY Analytics」
薬物に対する身体の反応は人それぞれです。薬の副作用や、薬が効きやすい/効きにくいなどは、個々人によって差異があります。これを「薬物応答性」といいます。
薬物応答性を正しく判別しないままに薬剤が処方される場合、副作用を引き起こす種類や分量を処方してしまうことがあり得ます。この副作用リスクは患者全体の10%以上存在するとされています。
また、逆に効果のある薬や効果的な最適量が処方できないため、治療期間が延びてしまうことも起こり得ます。これらを背景とした年間副作用報告公表数は4万件超、国の医療品副作用被害救済額は年間約20億円に達します。
この薬物応答性を判定するゲノム関連検査は国内にいくつか存在しましたが、PMIの開発した「XY Analytics」は、以下3つの特徴をもって医師・患者双方により大きなメリットをもたらすものです。
① 判定可能な薬物応答性の種別数
国内既存検査が判定可能な薬物応答性の種別が10〜20程度で留まるのに対し、「XY Analytics」は450以上の薬物応答性が判別可能
② 検査結果は薬物基準まで掘り下げられており、処方判断時のプロセスが簡素
国内既存検査は「その患者が持っている薬物を代謝する能力=代謝能」のみの結果だったのに対し、「XY Analytics」はどの薬が効く/効かないといった情報が薬物基準で分かるため、処方判断時のプロセスが軽減される
③ ウェブベースの結果・関連情報収集サイトを展開
検査結果や関連情報がウェブベースで確認でき、該当薬物の処方妥当性をサポート
■各社からのコメント
Precision Medicine社設立者/Director Dr. Andrew Winnington
「薬理遺伝学検査を日本に提供するために、G-TACや彼らの医療機関ネットワークと協力出来ることを大変光栄に思っております。
我々は今日のために、日本人向けの技術を開発して参りました。
また、本検査を皮切りとして、今後とも日本人の皆様の健康に寄与するための、様々なゲノム検査の導入をとても楽しみにしております。」
検査を導入する東京ミッドタウンクリニック院長 田口淳一先生
「薬理遺伝学検査は遺伝専門家ではなく一般医師が臨床の現場で状況に応じて対応すべき検査と考えられています。しかしながら一番の問題は、薬を使いたいときにオーダーしても実際には間に合わない点です。ですから有用性は理解されていましたが現実に使用されていませんでした。
XY Analyticsは世界中で最多の450以上の重要な薬剤に関する薬理遺伝学的情報を網羅し、かつアジア人に固有の遺伝の特徴を検討しています。日本人の精密医療と医療安全のために大変有用な検査であり、予防医療の観点からも利用できるものと考えます。」
【 G-TAC株式会社 会社概要 】
社名 :G-TAC株式会社
本社 :東京都港区赤坂1丁目11番44号
URL :http://g-tac.co.jp
設立 :2015年8月
資本金 :1,000万円
代表者 :代表取締役社長 植松 正太郎(うえまつ・しょうたろう)