2016/12/14

G-TAC、シスメックス社と提携し、 乳がん組織における遺伝子の発現解析サービスを提供開始 ~乳がん組織に含まれる95種類の遺伝子を調べ、乳がんの術後治療方針に活用~

ゲノム・パーソナル医療の進展をサポートするG-TAC株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:植松 正太郎、URL:https://G-TAC.co.jp/、以下「G-TAC」と表記)は、シスメックス株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒、コード:6869、東証一部、URL:http://www.sysmex.co.jp、以下「シスメックス」)が開発した乳がん組織における遺伝子の発現解析受託アッセイサービス「Curebest™ 95GC Breast」(研究用)(以下「Curebest」と表記)を、G-TACが医師向けに運営している「G-TAC パーソナル医療関連検査サービス」を通じての情報提供を開始致します。

■本提携の概要と目的
乳がん罹患者数は年間9万人・死亡者は1.3万人を超え、35~64歳の女性壮年層においては死因の第1位となっており(※2)、女性における国民病ともいえる位置づけとなっています。

一方、早期発見や罹患時の対策によっては、乳がんは他がんと比べて良好な経過が期待できる疾患でもあります。例えば、5年生存率は50代女性において92.9%と、大腸がんの75.8%・胃がんの73.0%や、肺がんの43.8%に比べても高い割合となっています(※3)。

ここでシスメックスは、乳がんの特性を表す指標として、95種類の乳がんに関係する遺伝子がどれくらいはたらいているかを調べる多遺伝子アッセイサービス「Curebest」を提供しています。

本提携は、G-TACの保持する全国800以上のパートナー医療機関・2.3万人のパートナー医師ネットワーク、並びに専門医のフォローアップ体制を活用することで、当該検査をより多くの医療機関・乳がん患者様に提供することを目的としています。

■乳がんの再発と術後補助療法
乳がんは手術によりがん組織を取り除いても、手術後に再発することがあります。これは、手術前に既にがん細胞が乳房から離れて他の臓器に広がっていたためと考えられています。
この手術後にも残存するがん細胞を、薬で治療し再発を防止する方法が「術後補助療法」と呼ばれるものです。適切な術後補助療法を行うことは、がんの再発防止に向けて非常に重要な位置づけとなります。

■「Curebest」について
Curebestは、乳がん患者様において95種類の乳がん関連遺伝子が、どれくらい働いているかを調べる研究用検査サービスです。500例を超える乳がん患者様のがん組織を分析した結果から、これらの遺伝子の働きを測定する方法が開発されました。
この方法を用いて、乳がんを「H」または「L」のいずれかに分類し、分類に応じた術後補助療法を選択する一助とします。例えば、ホルモン療法のみによる術後補助療法の場合、「H」タイプの 乳がんは「L」タイプと比べて再発する割合が高かったという研究結果が報告されています。

■今後の展開
G-TACは、エムスリーグループのマーケティング支援リソースを活用し、当該検査の認知度向上、導入医療機関を増やすことで、販売の拡大を推進致します。また、G-TACが構築する独自の「臨床遺伝専門医」のネットワークを活用し、検査受検前の相談から受検後のフォローアップまで、一貫した相談体制を構築致します。

【シスメックス株式会社について】
シスメックス株式会社は、検体検査に必要な機器・試薬・ソフトウェアの研究開発から製造、販売・サービス&サポートを一貫して行う総合メーカーです。1968年の創業以来、検体検査領域を事業ドメインとし、従来取り組んできた赤血球や白血球などを分析するヘマトロジー(血球計数検査)の分野から、尿、凝固、免疫などの分野に加え、ライフサイエンス領域へと事業を拡大しています。

【G-TAC株式会社について】
「ゲノムを通じて、自らを知る/創る」をコンセプトに、ゲノム・パーソナル医療に前向きな2.3万人の「G-TAC」医師ネットワークの運営に加え、全国約800施設の「G-TACパートナー」医療機関を通じて、有用なゲノム・パーソナル医療関連検査を提供しています。

※1 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」を参照
※2 2016年9月8日発表 厚生労働省人口動態統計[確定数]を参照
※3 全がん協加盟施設の生存率協同調査を参照