2010/05/14

株式会社翻訳センターとエムスリーが資本・業務提携~医療翻訳のデファクト化で医 療情報のグローバルな流通を推進~

株式会社翻訳センター(本社:大阪府大阪市代表取締役社長:東郁男URL:http://www.honyakuctr.com/ 以下、「翻
訳センター」)および、エムスリー株式会社(本社:東京都港区代表取締役:谷村格URL:http://corporate.m3.com/ 以下、「エムスリー」)は、この度、資本・業務提携を結んだ事を発表します。なお、本資本・業務提携は、平成22年6月29日開催予定の翻訳センターの定時株主総会において第三者割当増資による新株発行に関する議案が承認されること及び金融商品取引法による有価証券届出書の効力発生を条件とします。

1.資本・業務提携契約の趣旨

翻訳センターは、産業技術翻訳を通して国際的な経済・文化交流に貢献するために、特許・医薬・工業・金融の四分野を主力事業領域に据え、日本語・英語間の翻訳を中心に世界70カ国語の翻訳サービスを産業界に提供しており、産業翻訳専業企業としては唯一の上場企業として業界のリーディングカンパニーを目指しています。中でも医薬分野は売上の約35%を占める主力分野で、主に製薬企業に対して幅広い医薬翻訳サービスを提供しております。
エムスリーは、「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らすこと」を事業目的に据え、医療従事者専門サイト「m3.com」を運営しており、約18万8千人の医師会員に対して医学関連情報を配信し、製薬業界を中心にマーケティング支援サービスを提供しております。
両社は、医療情報の流通における言語障壁を取り払うことによって医療界に貢献するために、医療界で日々発信される多種多様な情報を翻訳して情報へのアクセスを容易にするという点で事業シナジーが得られると判断し、資本・業務提携を締結しました。
本資本・業務提携は翻訳センターにとって大きな収益機会であり、「m3.com」会員医師からの医学論文翻訳やエムスリーが配信する医療ニュースの翻訳などの受託による収益増加が期待できます。また、エムスリーと提携することで医学分野における翻訳センターブランドをさらに強化し、医学論文翻訳をはじめとした医療情報の翻訳においてデファクトサービス化していく事を目指します。一方エムスリーにとっては、翻訳専業企業をパートナーとすることで、医師会員への良質なサービス提供が可能となり、「m3.com」医師会員満足度向上が見込める上に、医療情報のボーダーレスな流通基盤強化を図る機会となります。
なお、本資本・業務提携の実現により翻訳センターはエムスリーの持分法適用関連会社となり、より強固な協力体制が構築できるものと見込んでおります。

2.資本・業務提携の内容

(1)資本提携の内容
円、総額 347,070,000円にて引受けます。これにより、エムスリーの翻訳センターに対する議決権割合は20.48%となり、平成22年7月20日の払込期日をもって、翻訳センターはエムスリーの持分法適用関連会社となります。
なお、第三者割当増資の詳細につきましては、本日翻訳センターより開示しております「第三者割当による新株式発行、主要株主の異動及び「その他の関係会社」の異動に関するお知らせ」をご参照ください。

(2)業務提携の内容
[1]「m3.com」を通じた医学論文翻訳サービスの提供
医師を中心とした医療従事者は、研究成果を英語論文として広く世界に発信するニーズを持っています。 「m3.com」医師会員を対象としたアンケート調査では、医師会員の約86%が"医学論文等の翻訳・ネイティブチェックの必要性がある"と回答し、そのうちの約78%が外部の翻訳サービス利用経験があり、翻訳サービスのニーズが示されました。

医学論文等の翻訳・ネイティブチェックの必要性についての調査結果グラフ

本資本・業務提携に基づき、翻訳センターは「QOL君」サービス(※)を通じ「m3.com」会員に向けた、医学論文翻訳サービスを提供します。翻訳センターは、平成21年4月から試験的に「QOL君」を利用してサービス展開しており、翻訳センターからの情報配信を希望する医師会員が既に36,500人(平成22年3月31日現在)おりますが、今後本格展開していき、更なる拡大を見込んでおります。

(※)「QOL君」サービスとは...「m3.com」上で展開される医療情報以外の、医師の生活に役立つ(=医師のQuality Of Lifeを向上させる)情報提供(転職・開業支援、経営関連、金融関連など)を行なうネット・コンシェルジュ。

[2]医療情報のグローバルな流通における協業
翻訳センターは、エムスリーグループによる、医療情報のグローバルな流通基盤強化に向けた翻訳業務のパートナーとなります。
国内で従事する医師にとって、臨床の現場においては国内の医療情報のみならず、海外で発信される最新ニュースやエビデンス(科学的根拠)情報等の入手が不可欠となっておりますが、現状では海外の医療情報の多くは英語のまま発信されております。両社の協業により「m3.com」上で提供される医療情報を日本語化して提供することで情報のクオリティを向上させ、日本の医学に貢献できるものと考えております。
さらに、エムスリーグループのメビックス株式会社では国内で実施される大規模臨床研究等を通じたエビデンス構築を支援しておりますが、これらエビデンス情報の多くは海外にも発信されております。日本国内発の付加価値の高いエビデンス情報を英語化して海外に向けて発信していく点においても、今後協業していく予定です。